一次創作Web企画に参加しました

 今夏開催された一次創作企画、無事に2企画への作品提出を終え、両作品とも公開されたので連絡します。

 

 

 まず、綿津見さん主催の「アンソロジー水」Web版に提出しました『イオ』という作品。こちらは約2万5千字でジャンルはSFです。

 スタニスワフ・レムの傑作『ソラリス』から着想を得た知能を持った人工の水と、その水を作り出した科学者のお話です。すでに『ソラリス』をお読みになったことのある方には「もしかしてこの部分は『ソラリス』のあの設定からかな」と気づかれる点もあるのではないかと思います。

 テーマである「水」にふさわしいのか否か、物語の設定に水溶性の高い要素があれこれ組み込まれており、清々しい水の表紙と裏腹に内容的にはヘドロ状態ですが、ラストにはきちんと水にもヘドロにもふさわしい自浄作用がはたらいていると思われるので、ぜひご一読をよろしくお願いします。

 2つ目の企画は梶つかささん主宰の「Epitaph;墓参りアンソロジー」内の派生企画「WEB ANTHOLOGY」版に提出しました『産死遂命のEXA』という作品。ジャンルは広義のファンタジーで、約1万字です。

 こちらは前者企画と打って変わり、人類の文明も自然環境も崩壊し、砂漠化し枯れゆく地球が舞台です。人類が滅びた世界で「蟲」という生命体が戦争し、共食いすることで生き延びながら、傭兵のように戦地を渡って流浪しているロカという蟲が主人公となっています。当てもなく流浪し、なぜ生きるのかをたびたび思案しながら、残りわずかな道程を歩みつつ、メタ的にテーマである「墓参り」に触れています。

 こちらは『イオ』と比べて読み手に誤解や曲解を与えるような表現・描写が多く、一筋縄ではいかないかと思いますが、『イオ』を読み終えた際は、ぜひこちらも拝読していただけるとさいわいです。



 実は、外部の企画に寄せるためにテーマに合った作品を一から書くということは、今回が初めてでした。企画に合わせて寄せるのならば既存の作品ではなく、まったく新しい作品を書き上げて寄せたかったというのもあります。2企画の日程がほぼ重なり合う状況でしたので、個人的なスケジュール等も加味して執筆調整がギリギリだったのは、今後またなんらかの外部企画に参加する際に留意しておきたい点です。墓参りアンソロジー企画に字数制限があったのがさいわいでしょうか。アンソロジー水のほうは字数制限がなかったので、正味5日間で2万5千字という荒業で通してしまった感はあります。このあたりは提出後の加筆修正で幾分か体裁を整えました。


 上に掲げた2つの企画は、本来なら抽選に当選された方のみの参加となったところでしたが、惜しくも抽選外となってしまった作者さんにもWeb版という機会を与えていただいたかたちになっています。また、数度の質問やルビ・脚注機能の挿入など、各企画の主宰者様にはたび重なるお手数をおかけしたことも多いながら、毎回非常に丁寧なお仕事で対応していただけたことにたいへん感謝しています。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。