簡単なこと

 基本的にジャンルに見境の無い籠虚院蝉という私ですが、扱うテーマの根源はどれも似たり寄ったりな感じがします。

 

 唯心論者ではありませんが、「物語を物語として認識可能なのは人間だけ」と思っていますので、作品の根源にあるものはもっぱら人間です。E・H・カーの『歴史とはなにか』という本をただいま読んでいるのですが、その中での引用で、「人間という存在すら解明されていない時点で、人間以上の超自然的なものを持ち出して語ることはしてはならない」という、つまり「神やそれに準ずる対象を議論に混ぜてはならない」ということについて、持論とかなり似通った考え方を見つけました。

 比喩の対象としてそういう類の存在を作中に登場させることはありますが、それ自体を登場させることは、おそらくファンタジーを書く際にもないだろうと思います。もし、「超自然的存在が目に見える人がいる設定」なら、その限りではないと思いますけども、設定はごく簡単に、もしくは、そうであることの理由が論理的に述べられる程度のものでなければ、それもボツになるでしょう。

 

 私は現実に生きているのですから、なるべくなら作品の舞台も現実に近づけて書きたいという願望があります。現実の中でどれだけ夢を見ることができるか、それが起因しているのかもしれません。私という存在は今この現実しか生きることができないので。