嗜好

 思えば私の描く登場人物のキャラクターって、だいぶ鬱々しい要素が見え隠れしているのですが、なぜなんでしょう。別所で書いていた掌編集なんて、鬱々しい上に衒学的で救いようのないレベルに理解不能なものが多いのですが、それはなにか、私自身の性格と関係があるのでしょうか。

 そんな私ですが、馬鹿正直で素直な人間を描くのは大好きなんです。『パンダ模様~』の主人公はどう考えても馬鹿ですけど、自分の気持ちに素直に見えるように書いていますし、『Great~』は、まんま子供の素直さですね。校正中の『/emptiness』は、厭世観念真っ盛りなクレイジーサイコレズが世界から逃亡するという私のお里が知れそうなファンキーな物語になっていますけど。

 と言いつつ、今重点的に手を付けている『籠り虚院蝉』は、下手すると自殺するレベルで鬱々しい人ばかりで、構想中の『水 油』では、またしても仕事人のクレイジーサイコレズが主人公の鬱々しい物語なんです。あれ、なんだ鬱々しいのばっかりだおかしいなあ。

『パンダ模様~』でも『Great~』でも、鬱々しい要素が多分に含まれていますが、全編わたって鬱々しい物語が多いのは、私の嗜好でしょうか。

 明るい物語なんて書けません。明るい物語は嗜好と合いません。光と物体があれば影は生まれるもんなんです。そういう逃れようのない、救いようのない現実的悲壮感。