青い魔女の通過儀礼Ⅰ

 目の周りがパンダみたいに真っ黒で、いつもフード付きの真っ青なローブを着ている女の人がいた。

 断崖に守られたアンルーヴという町の地下、そこに彼女──エルネスティーは住んでいる。普段はだれとも会わないが、ふとした時に地上へ出ては、ヤマネの心臓や蛇の毒といった珍妙なものを買う。下手物屋の少女店主クランほか数人は彼女に寛容的のようだった。けれど、やはりよそよそしくて冷たい人は多い。端的に言って、彼女は町の人から疎んじられていた。

 霧深さから足下を疎かに断崖から落ち、偶然通りがかったエルネスティーに命を救われたマルールことわたし。滑落の衝撃で記憶喪失になってしまったわたしは、彼女と運命的な出会いを果たし、ともに過ごしたことがある。

 【FT SF 魔女 猛獣 百合 魔女と猛獣】