イオ

 ある女性科学者が、ナノマシン電流によって分子運動を自在に操る世界初の知的有機体を生み出した。水中美術館を作る――彼女が幼い頃からずっと夢に描いていたそれは、岩を沈めて水流によって彫像を製作してもらうという、画期的な美術館だった。

 Intelligence Organismという学術名の頭文字から「イオ」と名付けられたその水は、水中演劇をこなしつつ次々と美しい彫像を生み出していき、美術館はまたたく間に世界的な名勝地と讃えられる。しかし、人工知能として成長していくうちに、イオは次第にある感情を募らせていくのだった。

【水 海 人工知性】

綿津見さん主催「アンソロジー水」web掲載版参加作品


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